「何で、出れねぇんだよ?」


「それは、知らねぇけど……」


「出れなくなったら、ドアぶっ潰してでも出りゃいいんじゃねぇのかよ?」


「まぁ……」


「ごちゃごちゃ言ってる時間ねぇんだよ。二葉を見ろ、あとHP11だ。行くぞ」


一足先に小屋の中に入る蓮。それに続く二葉。


「あ、おい!待てよ!」


その後に、しぶしぶ直樹も続いた。


全員が小屋の中に入ると、蓮は毒消し草を手に取った。


「……で?これ、どうすりゃいいんだよ?」


直樹に聞く蓮。


「飲ませればいいはずだ」


蓮は二葉に毒消し草を手渡すと、二葉は草をちぎって少しずつ口に入れた。


その途端、HPの色が元の薄緑に戻った。どうやら、毒が治ったようだ。


「さっさと行こうぜ、ヤバイことになっちまう前に」


直樹はそう言うと、そそくさと一足先に出口への扉に向かった。


そのときだった。


バタン!


「!」


驚く三人。


出口の扉が、急に閉じた。


「くそっ!」


直樹は舌打ちすると、ドアノブを勢いよくつかんだ。


ガチャッ……


「……あれ?」


キョトンとする直樹。


普通に、扉が開く。


「風か何かで、扉が閉まっただけ?」


ホッとして、二葉が言った。


「何だよ、脅かしやがって……」


直樹はそう呟くと、扉を開けて外に出ようとした……


が、そこは、外ではなかった。