「くしゅんっ」 俺ではない可愛らしいくしゃみ。 慌てて声の主の顔を覗くと、何ともいえない顔つきで…。眉をひそめて俺を睨んでいた。 身長差を考えると、睨んでも上目使いになるだけで可愛いだけなんだけれど。 『ご、ごめん!』 「………。」 リンは下を向いてしまったので、表情が読めない。 「ねえ…」 降りしきる雨に濡れながら、暫しの沈黙を破り、重い口を開いたのは 「うち来る?」 リンだった。