キミ色に染められて


長い長期休みに入る前の出来事はうやむやになったまま。


しかし、俺はあの高級住宅地に存在する8階の部屋に週3回は出入りしている。


「忘れる」と言ったアイツの言葉。


その後に言った俺の言葉への返答はなかった。


「どうでもいいけど、来週からまたきなよ。」とだけ言われたのは覚えている。


次からは何もなかったかのように、いつもの家庭教師と生徒に戻っていた。