一度はこういう行為をしたとはいえ、お互いの気持ちを確かめ合った今とでは全然違う。 緊張と期待に、名前を呼ぶ声が震えた。 本当は物色していたんじゃないとか、 相良くんが初めてここを訪れたときは泣きそうなほど嬉しかったとか、 実は四月からずっと相良くんのことが気になっていたんだとか、 まだまだ説明していないことが数多くあるのが気掛かりだったけど、とりあえずこの場は流されてしまってもいいと思った。 というより、流されてしまいたい。