【短編】中学3年生〜受験と卒業〜

その後、「アで~す。」と澄まして答える村井がまたおかしくて。



私は俯いて笑いを答えた。



「珍しく村井が正解だわ。」



眉を上げて、先生は村井を見た。



「なんだよ、俺が正解出したらおかしいのかよ。」


「誰もそんなこと言ってません。」



先生はカッカッと音を立てながら黒板に“ア”と書いた。



「なんだよ~。」



拗ねたような声を出し、なぁ、と私に同意を求めてきた。



ゴメン、頷けない。



返事は期待してなかったようで、すぐに質問を投げてきた。



「お前さ、いつも何点取ってんの?」


「え?」


「テスト。
英語の。」


「あ~。
80点は固いな。」



グラグラと椅子を揺らしていた村井が音を立てて振り向く。



止めてよ、みんなに注目される!