数分後、村井は脱力して私の机になだれかかってきた。



「全然わかんなかった。」


「まあ、好き嫌いあるしね。」



私は好きな方に入る。



「ズルいよな。」


「でも村井、賢いって聞くけど。」


「はっ。
俺、英語のテスト30点あればラッキーって奴なんだけど。」


「嘘ン。」



マジ、と呻いたところを先生に指された。



「村井、問1の答えは?」



三択の問題。



さあ、村井はどれ選ぶかな?



「宮崎。」



聞こえないような小さな声でせがまれる。



「アだよ。」



笑いを殺し、囁いて答える。