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わいわいと、写真撮影が繰り広げられた。



女子の大群が、綺麗に書かれた“卒業おめでとう”の黒板の前を占拠している。



比較的大人しい私達のグループは、教室の隅で撮影を済ませた。



思う存分何枚も写真を撮り、思い出話に移行する。



「泰那はずっと変わらずクールだったよね。」って、別にそういうつもりはなかったのに。



初めて、入学当初からの印象を聞いた。



なんか恥ずかしい。



私って、そんな風に見られてたんだ。



そんな恥ずかしい話も交えながら、どれだけの間話してたんだろう。



「もう、お開きだよ~。」



先生が穏やかに告げた。



ぶうぶうと文句を言われてたじろぐ姿ももう見られない。



今日で、本当に最後だと思うと、悲しかった。



明るい未来が待ってると、誰かが言ったけど、そんな保障はない。



今、ここで温かい友達といるほうが幸せかもしれない。



そうマイナスに思考が転がっていく。



「泰那は変に考えすぎだよ。」



そう言って、友達は肩を抱いてくれた。



そうだね。



もう少し、楽に考えるよ。



でもね、村井とは離れるんだ。