【短編】中学3年生〜受験と卒業〜

私が村井を見つめている間、時間は過ぎていく。



先生に花束も渡したし。



学級長の挨拶も済んだ。



そして、とうとう、入場の時間がきた。



待って。



まだ、心の準備が出来ていない。



先生に急きたてられるようにして、私達は廊下に並んだ。



何度も練習した、入場行進が本番を迎える。



緊張はなかった。



ただ、ああ終わるんだと思った。



みんな、いつもは面倒だと言ってぐだぐだだったけど、今日は今までで一番綺麗な行進。



会場の体育館に入るときも、みんなの動きはそろっていた。



体育館のステージには、去年私達が先輩の卒業式に飾り付けたのと同じ垂れ幕がかかっている。



思わず笑みがこぼれた。



本当に毎年一緒だなぁ。



たくさんのフラッシュに目をくらませながら、私は用意されたパイプ椅子に座る。



隣に座った友達はもう泣いていた。



それを慰めながら、また村井に意識がいく。



あいつ、泣いてんのかな。



目が赤かったら、からかってやるんだから。



そう思ったのに、私も泣きそうになって少し焦った。