「俺、今さらノート真面目にとるとか思いもしなかった。」


「いや、思いなよ。」



敢えて突っ込む。



あんた高校行ったらどうするつもりだよ。



「なぁ、宮崎。」


「ん?」


「シャー芯頂戴。」


「……おい。」


「だって、切れてるんだもん」



……いやいやいやいや。 



そういう問題?



「今まで使わなかったの?」


「今まで使ってたやつが最後だったらしい。」



そんな爽やかに笑われても…。



私は芯を三本渡しながら、ポカンと村井を見つめた。



「うっわ、三本もくれんの!」


「なんか可哀想になって。」


「うわ、有難み半減。」


「いらないなら返して下さって結構です。」


「いる!」



素早く芯を掠め取り、村井はシャーペンを掴んだ。



なんか、たかが芯三本でこんなにいじれるなんて。



村井ってやっぱり面白い。