【短編】中学3年生〜受験と卒業〜




「おい、コラ。」


「何?」



朝から席についた途端、村井は私の机を蹴っ飛ばした。



「お前、受験どうだった?」


「もう、なんで朝一で訊くかなぁ。」


「気になるもん。」



そんなこと言われても…



「まったく覚えてない。」


「はぁ?」



心底怪訝な表情で私をみる。



「だからぁ、記憶にないの。」


「…お前とうとうイカれたか?」



むかつく。



舌打ちして机に突っ伏す。



「え、え、あれ?
怒った?」



当たり前だろ。



と、また一段イラつく一言。



「駄目だよ、そっとしてあげなきゃ。
泰那、きっと上手くいかなくて忘れたなんて言ってるんだよ。」



ムッとして顔を上げると、村井が囁いてきた。



「ほら、お前言われてんぞ。」


「あんたねぇ。」