「おい、コラ。」
「何?」
朝から席についた途端、村井は私の机を蹴っ飛ばした。
「お前、受験どうだった?」
「もう、なんで朝一で訊くかなぁ。」
「気になるもん。」
そんなこと言われても…
「まったく覚えてない。」
「はぁ?」
心底怪訝な表情で私をみる。
「だからぁ、記憶にないの。」
「…お前とうとうイカれたか?」
むかつく。
舌打ちして机に突っ伏す。
「え、え、あれ?
怒った?」
当たり前だろ。
と、また一段イラつく一言。
「駄目だよ、そっとしてあげなきゃ。
泰那、きっと上手くいかなくて忘れたなんて言ってるんだよ。」
ムッとして顔を上げると、村井が囁いてきた。
「ほら、お前言われてんぞ。」
「あんたねぇ。」


