【短編】中学3年生〜受験と卒業〜

「そういえば、昨日私立の合格発表だったんだよね?」


「う、うん。」



きた。



「今年は受けた人少なかったらしいよ。」


「へぇ。」


「なんかねぇ…。」



友莉はペラペラとどこから仕入れてきたのか、受験者情報を喋りたくった。



その情報収集能力には感服する。



と、むくりと村井が起き上がった。



「あ…。」



話題を変えようと友莉を振り向こうとすると、村井は手でとめた。



「いいよ、気遣わなくて。」


「ん。」


「お前、どうだった?」


「…ぎりぎり受かったよ。」



順位なんかわからないから、ぎりぎりかどうかもわからないが、私は言った。



「さすが。」



そろそろ、村井の表情もいつも通りに戻りかけていた。



よかった。



と胸を撫で下ろした刹那、友莉が要らぬ事を口にした。



「ね、悠士くんはどうだったぁ?」



訊くなよ…。



朝からの村井見てればわかるじゃん。