「誰ですか?」
村井が困惑しながら手を上げた。
「俺、です。」
「これからは試験管に許可を貰ってからかんでください。」
ええ?
私は一瞬キョトンとした。
多分、いや、みんな同じだろう。
少なくとも、私と村井は。
「は、はぁ。」
なんとも気の抜けた返事をし、村井はそろそろと手を下ろした。
「マジ?」
耳元で囁かれ、私は身を引いた。
「今、話しかけないで。
あんた目ぇつけられたから、話しかけるの休み時間にしたほうがいいよ。」
受験に休み時間なんてものが存在するのかわからないけど。
村井は慄いたようにコクコクと頷き、身体を戻した。
なんか、私立って怖い。
試験管はメガネをかけた若い女の人で、目は釣りあがっている。
これこそ偏見かも知れないが、「試験官」がよりいっそう厳しく見えた。
回答の仕方について説明を受け、その後は沈黙だった。
なんかやだ、この雰囲気。
すごくピリピリしている。
何となく顔が上げづらく、俯いているといきなり試験官が「始め!」と声高に叫んだ。
村井が困惑しながら手を上げた。
「俺、です。」
「これからは試験管に許可を貰ってからかんでください。」
ええ?
私は一瞬キョトンとした。
多分、いや、みんな同じだろう。
少なくとも、私と村井は。
「は、はぁ。」
なんとも気の抜けた返事をし、村井はそろそろと手を下ろした。
「マジ?」
耳元で囁かれ、私は身を引いた。
「今、話しかけないで。
あんた目ぇつけられたから、話しかけるの休み時間にしたほうがいいよ。」
受験に休み時間なんてものが存在するのかわからないけど。
村井は慄いたようにコクコクと頷き、身体を戻した。
なんか、私立って怖い。
試験管はメガネをかけた若い女の人で、目は釣りあがっている。
これこそ偏見かも知れないが、「試験官」がよりいっそう厳しく見えた。
回答の仕方について説明を受け、その後は沈黙だった。
なんかやだ、この雰囲気。
すごくピリピリしている。
何となく顔が上げづらく、俯いているといきなり試験官が「始め!」と声高に叫んだ。


