周りは背の高い黒の波。
背がそんなに高くない私は視界が遮られてただ流されるだけだった。
辛うじて、案内の張り紙が見え、私の番号の教室は3階だと知る。
私は黒の軍団の間を擦り抜けて3階へ昇った。
さすがに3階まで来ると人が随分減る。
そして、視界もだいぶ開けた。
階段を昇ったその正面が私の教室で、探さずとも入ることが出来た。
よかった、と胸を撫で下ろし、ドアを引く。
開けた途端、村井の顔が飛び込んできた。
「なんだ、宮崎か。」
なんだ、じゃない!
驚きすぎて、悲鳴の1つも出なかった。
未だに喉が締め付けられているかのように、声が出ない。
「悠士、宮崎さん驚いてる。」
呆れた田中さんに言われ、背を向けていた村井は振り返って私を見た。
「悪り。」
そんだけか。
村井は男友達が入ってくるのを期待していたらしい。
「女子の密度高い~。」
とか言って、戻って行った。
背がそんなに高くない私は視界が遮られてただ流されるだけだった。
辛うじて、案内の張り紙が見え、私の番号の教室は3階だと知る。
私は黒の軍団の間を擦り抜けて3階へ昇った。
さすがに3階まで来ると人が随分減る。
そして、視界もだいぶ開けた。
階段を昇ったその正面が私の教室で、探さずとも入ることが出来た。
よかった、と胸を撫で下ろし、ドアを引く。
開けた途端、村井の顔が飛び込んできた。
「なんだ、宮崎か。」
なんだ、じゃない!
驚きすぎて、悲鳴の1つも出なかった。
未だに喉が締め付けられているかのように、声が出ない。
「悠士、宮崎さん驚いてる。」
呆れた田中さんに言われ、背を向けていた村井は振り返って私を見た。
「悪り。」
そんだけか。
村井は男友達が入ってくるのを期待していたらしい。
「女子の密度高い~。」
とか言って、戻って行った。


