「クラス、ずっと一緒だった?」


「ううん、最後の2年だけ。」


「よかったな。」



にぱっと太陽のような笑みを浮かべる村井。



本当によかったなって思ってくれているんだとわかる。



と同時に、村井の友莉への評価がどんなものか思い知らされる。



「俺、3年連続。」



そうなんだよね。



可哀想に、ずっと一緒。



「お前も中1は一緒だったよな?」


「うん。
中1と今だね。」


「俺ら、去年離れただけか。」


「うん。」



正直、少し寂しかった。



村井がいると、自然とクラスが盛り上がる。



騒がしくてデリカシーのない奴だと思うけど、一緒にいて楽しいことは確かだ。



そこは認める。



「今年は一緒でよかった。」



笑うと、村井は顔を逸らした。



え、もしかして嫌がられた!?



ショック…。



「悠士〜。」



後ろの田中さんから声がかかる。



「んだよ。」



そこから会話はなかった。



ただ、田中さんはクスクスと笑っている。



村井は顔を赤らめて、口を尖らせている。



口パクかと思ったけど、わざわざ振り向いて確かめるのもアレなので、結局わからなかった。




取り敢えず、村井にとって楽しい1分間ではなかったようだ。



チッと舌打ちした村井は、黙って残り時間を過ごした。