【短編】中学3年生〜受験と卒業〜

まだいじめるの?



非難めいた視線を投げるが、村井は完全に楽しんでいて気にしない。



「お前、4級っていつ取ったの?」



友莉に聞かせているわけじゃない、俺はただ宮崎と話してんの。という体裁を作り、村井は言った。



「…小学校のときかなぁ。」



敢えて学年は伏せた。



もう、友莉が可哀想になってきた。



少し自分勝手だからといっても、同い年でそれなりに馬鹿にされているのは気付いているはずだ。




「なら、俺でも受かるかな?」


「かもね。」



村井が口を開こうとした瞬間、私は思い切り足を踏んで封じた。



黙れ、と口パクで伝える。



さすがに村井も黙った。



それからなんともいえない雰囲気が流れる。



チャイムが鳴るまで、気まずいままだった。





















それからしばらく、友莉は大人しかった。