「あたしのことは無視しないでね~。」


「うん。」



ちょっと、友莉の相手を私に丸投げすんのやめてよ。



椅子を蹴ってアイコンタクトを取るが、村井は拒否する。



友莉は一度話し出すと、長い。



本当に、長い。



どうでもいいことまで喋りたがるから、エンドレスだ。



しかも、自分のことばっか。



話し相手側に男が混ざっていると、これまたウザイ。



今、この状況は友莉にとってかなり嬉しいはずだ。



村井がいるし、それに何より村井は何気にモテるのだ。



「昨日、うちのお母さんが仕事で遅くなってね。」


「うん。」



一気に話してくれないのも欠点だ。



いちいち相槌を打つまで続きを話さない。



「夕飯の時間過ぎてね。」


「うん。」



もう、聞き流すのに慣れた。



「あたしが作ったんだ。」


「へぇ。」



ま~た自分の自慢話だ。



村井は真面目にノートを書いている。



有り得ない。