【短編】中学3年生〜受験と卒業〜

…と、私が一番嫌だった事態が起こった。



「あああーッ!」



ゴッ!と鈍い音がした。



同時に、後頭部に痛みを感じる。



「俺、知らねー。」


「俺も。」


「あっ!?
お前が当てたんだろが!」



誰が当てたとか最早私には関係ない。



教室で、こんな狭い教室の通路でキャッチボールしているお前ら全員同罪だ!



その時チャイムが鳴り、これ幸いとみんな散った。



必然的に残された村井がひたすら私に頭を下げることになった。



「悪い。」


「…。」


「なぁ。」


「…。」



私は黙々とノートを写す。



ガリガリと頭を掻く村井を遠くの席から当てた張本人、河岸が茶化す。



「ほら、もっと謝っとけよ悠士。」



いやいや、お前が謝るのが筋だろ。



「う~ん。
ホント、悪かった。」



そこで謝るお前もお前だろ、とか思う私の性格がおかしいのか。