【短編】中学3年生〜受験と卒業〜




私はくじ運が良くないと思う。



強いて言えば、席運が。



…どうして私はキャッチボールの軌道になっているこの席を引いたんだろ。



「おい、お前もっと思いっきり投げろよ。」


「俺、今腕痛いんだよ。」



ならキャッチボール自体止めろ、野球部だろお前!



腕壊したらどうするんだ!



と、野球部のいとこを持つ私としては言いたい。



そもそも、どうして10分の休憩時間に教室内でキャッチボールなんかしているのか。



長い昼休みに校庭でやれ!



それか、私の頭上にボールが来ないところでやってくれ!



この間休んでいたときのノートを書き写しながら私は心の中で祈った。



「いくぞ!」



いくな!



「よっし、もう一回いくぞ。」



いくな!!



…心の中で、私は叫びすぎで喉を痛めている。