答えに戸惑った。 言うのに、かなりの勇気がいる。 頑張れ、俺。男だろ! 自分に言い聞かせた。 「・・・・・いるよ。」 伝えると、麻衣は一瞬切なそうな目をした。 「それって誰?」 「じゃあ、地面に書くから目ぇ瞑ってて。」 「うん。」 ギュッと目を瞑る麻衣。 枝を持つ手が震える。 ゆっくり、丁寧に書いた。 「目、開けて良いよ。」 麻衣はゆっくりと目を開けた。