コイツはあっさりとデカイ声で香織の名前を出してきた。 ホント、信じられない奴……。 「徹司、声デカイだろ」 俺は徹司を睨みつけながら小声で注意した。 「え?だって俺にさぁ、もし留学の話が来たら、絶対悩むと思うぞ。彼女と離れたくないし」 「だからって、何で香織なんだよ?」 「もう、和彦の態度、バレバレ」 俺は何も言えなくなった。 実際徹司の言う通りだし。 もしかしたら、ホントに態度バレバレなのかも…しれないし。