ああ、そうだ。 本物の愛を知らなかった香織。 夜の世界で汚れた愛にまみれていた香織。 あの時の香織は、ただ強がっているようにしか見えなかった。 「今ならうちにも言える。この世に本物の愛は、存在する」 流れた涙の跡を隠すこともなく、真っ直ぐ俺を見上げてそう言った香織。 俺はそんな香織をずっと守りたい。