コツコツ 踵が音を響かせ共鳴しては消えます。 長い大理石の廊下を真っ直ぐ進み行き止まりにあたるその部屋に王は寝ていました。 薄い青に金の細工が施された丸い扉。 まるで子供の部屋のようだ 魔女はひとつため息を漏らし コンコンコン ノックを鳴らすと間を置いて窺うように言います。 「私です、入ってよろしいですか」 ………ぁ…あぁ……ぁぁ…う゛… 耳をつけると返事ではなくうめき声が聞こえました。 もう一度呆れたようにため息を漏らし魔女は「入りますよ」と金のノブに手をかけました。