星をはりつけて




「それがなんだ」


その日、魔女の元に一人の騎士が目の前に立っていました。


大きな口を豪快に開けて笑う男は、どこか楽しそうに喋ります。


「いえね、王が玉座に現れなくなったのも同じ時期だったもんで関係あるかと思いまして」


目を皿のように細め男を見透かすその顔には苛立ちが表れていました。


「………王はお疲れなのだ、部屋にいる、あれは関係ない」


そうですか

男はひとつ肩をすくめると頭を下げ、魔女から離れていきました。



食えぬ男だ


魔女はしばらくその男の背中を見詰めると裾を翻して歩いて行きました。