利香の手紙を
弁護士の中尾が

「失礼します」
そう言ってもう一通の手紙と
交換した。

雪湖の頭の中は大混乱していた。


もう一通の手紙を読んで
父と言われた
竜平の方を見ると


竜平も愕然とした顔で
雪湖を見ていた。



冷たい伯父だった・・・・。
自分に残したのは
家族と区別された日々だった。
働いて働いて
孤独な時間を過ごしてきた。


そうさせた人が自分の父親?



母が愛した人?


雪湖の頭の中でいろんな言葉が
まわっていた。


母と同じ道を自分が歩いていること
母が殺したと思い込んでる
悪魔はまだ生きていて


自分も同じ目に合っていること・・・・


悪魔のために
二人が死んでしまったことも
衝撃的すぎる真実に体が震えていた。