まず、自分の事「夏恋」って言ってね★

そのメール以降返信が途絶えた。
自分で自分の名前を呼ぶこと。
それは昔のあたし。
でも、母親に裏切られてからは自分の名前を呼びたくなかったからやめた。
・・・・・・今?
今ならこの名前を恥ずかしいと思わない。
むしろ、スキ。
この名前をもっと多くの人に知ってもらうんだったら、あたしはこの名前を呼び・・・・・・・・・・・・たいと思う。
自分が自分を好きになりたい。
少しも取りえないけど
好きになりたい。
 

早速風真に電話した。
『もしもーっし。夏恋だよ!』
風真はゲームをしているように思えた。
『えー夏恋?なにー?」
あたしが自分のことを自分で言ってることに気づいていない。
『夏恋ね、夏恋っていうから!』
思い切って言ってみると風真は3分黙った。
『・・・・・・・・・・・・は?』
意味が分からなかったそうだ。
そりゃそうか。
『夏恋はあたしをやめたの!』
大きな声で怒鳴ると携帯がキーンって鳴った。
『うるさいって!マジか。じゃああたし禁止な!」
『大丈夫だよ!』
電話を切りあたしは決意した。
今日からあたしを禁止にします。
自分のことを好きになるためだから。
自分の事を好きになってもらうためだから。
一度捨てたこの名前をもう捨てない。
時を戻すよ・・・・・・・・・・・・。
どうかあたしが
夏恋であれるように。