学校の帰り道。時田と下校していた。
これは日課で誰もあたしたちを冷やかす人はいないから楽だった。
 「テストやべえ!80点いくかいかないかああああ!」
時田は頭も良くて80点も取れてるのに悔しがっている。
あたしはそんな時田を睨んだ。
 「最低!あたしなんか50点いくかだよお。」
なんていって実はそんなに頭が悪いわけでもなかったが、なんとなくナルシストだと思われたくなかった。
 「馬鹿じゃねーの?平均以上は当たり前!俺20位以内じゃなきゃダメだし。」
あたしは毎回60位くらい。
まあまあ良いほうだけど時田にしたら悪い。
時田に追いつきたいけど「追いつく!」とか言って失敗するのもやだ。
だからあたしはあたしで割り切った。
 「じゃあ曲がるわ。勉強しろよなあああ」
大きく手を振ってくれる時田の目を見てあたしは小さく手を振った。
 「するよ!たまにはね!」
笑い合ってバイバイした。


家には笑顔の麻那ちゃんがいた。
 「ただいま」
 「おかえり!夏恋の好きなプリンあるよ~!」
そういって大きなぷっちんプリンを貰った。
 「ありがと!食べる食べる。」
大きなスプーンで食べた。
甘くて美味しくてすぐに食べ終わってしまった。
 「美味しかった!あたしも今度麻那ちゃんにあげるね。」
麻那ちゃんはプリンよりシュークリームが好きだったからあたしはシュークリームをかおうとおもっていた。
 「シュークリームね!」
麻那ちゃんのお願いにオッケー出してあたしは勉強をはじめた。
時田に少しでも近づかなきゃ距離が遠くなってしまいそうだった。
もっと近づけるなら頑張るって思って毎日シャーペンを握ることを自分自身で決めて三日坊主にならないことだけを祈った。
 「頑張って」
麻那ちゃんの言葉でさらにやる気は増した。