学校ではいじめ。
家では1人。
それでも辛くないあたし。
ベッドに横になりながら美羽と電話。
 「「あたしんちの親今留守ー!」」
 「「まじで?やったー電話し放題!」」
お母さんがいると携帯は使えない。
以前、壊されたことがあるから。
あたしは月々の電話料金も自分で払い携帯を持つ。
とはいってもメル友は美羽だけ。
ソフトバンク同士自由し放題。
 「「夏恋と一緒に住みたいなー」」
 「「そうだねー」」
いつもそんなことを話す。
周りに人がいない辛さを知っているもの同士、人と一緒にいたいって欲求も多い。
 「「ま・・・・あたしはどうでもいいんだけどね。こんな家。」」
居場所がいないからいるだけ。
出て行けるもんなら出て行きたい。
 「「え!?じゃあうちに住めば良いじゃん!」」
美羽の言葉に体が止まる。
ここの家から出られるの?
 「「でも悪いよ。あたしなんか・・・・」」
心の中はこんな家出たい一心だった。でも、迷惑をかけられない。
 「「いいのいいの!かもーん!」」
美羽の元気なお誘い。
あたし・・・美羽と住みたい。
こんな地獄から抜け出せるんだから・・・。
 「「しばらく考えてみる。いろいろ。」」
電話を切った。
行きたい行きたい。
でも行けない。
このまま言ったら迷惑をかけてしまう。
でも抜けたい。ここからいなくなりたい。

あたしの心の中で戦っている悪魔達があたしを苦しめた。