あたしは自分の辛さを美羽に分かって貰いたいと思ってしまった。
美羽にこれ以上重荷を背負わせたくなかったけど、美羽と本当にわかりあいたかった。
 「あたしのはなしも聞いてくれる?」
玄関の床に座った。
美羽は星座をした。
大丈夫大丈夫。
何を言っても美羽は離れていかないって信じてるから。
痛みもきっとわかちあえるよね?
 「あたしね、親離婚して母親に引き取られたけど裏切られたの。それでリストカットしようとしたり警察に捕まったりした。だから学校も休んだ。辛いって気持ちより、逃げたいって気持ちが大きかったのかも・・・。でも、美羽に話しかけられて自分が変わった。幸せを見つけようって思った。美羽の笑顔はあたしのパワーの源っていうか・・・。嬉しいんだよ。ありがとう。美羽はあたしの生きる希望。」
美羽は泣いた。
流れ続ける綺麗な涙だった。
 「そ・・・んな!美羽っ夏恋っの・・・味方だよう・・・」
やっぱり美羽は裏切らない。
どんなあたしも受け入れてくれる。
あたしも絶対に美羽を裏切らない。
守ってあげたい。
助けられたぶん助けたい。
救われた分救いたい。
今度はあたしが美羽の生きる希望になりたい。
 「一緒に頑張ろうね。」
涙でべちょべちょの美羽の手と冷え切ったあたしの手が重なった。
ずっと信じてる。


美羽ありがとう。
本当に嬉しかった。
美羽はあたしにとってかけがえのない親友だったよ。
ずっと一緒に笑っていたかった。
でも、きっとあたしは美羽の生きる希望になれなかったね。
なる前に美羽は天国に逝っちゃったから。


弱虫だったあたし。
さようなら。