花よりも美しく



美登里の言葉は、とても冷たかった


「今更結婚式を中止するわけにはいきません。麗子さんが戻らなかったら、どうするつもりですか?」

「それは・・・」


美登里は元々、この結婚に反対だった

息子の嫁には、上流階級のお嬢様を、と思っていたから


「どうなさるおつもりなのかしら?」

「・・・・・・・・・」


父の背中を見つめて、月子は覚悟を決めたように顔を上げた


「私が、姉のかわりに結婚します」