花よりも美しく



月子が父の細い背中を見つめる

弱々しく、今にも折れてしまいそうな、父の背中

ただのサラリーマンのクビくらい、園村家ならどうにでもなるだろう

麗子が戻って来なければ、父は仕事を失うことになる


「あ、あの・・・ッ」


気づいたら、声が出ていた

美登里の視線が月子に向けられ、細められる


「父は・・・、クビになるのでしょうか?」


恐る恐る、震える声で聞いてみた


「それは、行動次第だわ」