自分しかいない部屋を眺めて、涙が込み上げる


「こんなことなら、園村にいた方がマシだったかも」


膝を抱えて、月子は無音の時を過ごした





────ガチャ・・・


薄暗い寝室のドアが開く


「・・・・・・今夜は、実家に泊まってくる予定じゃなかったか?」


現れた人物に、忍が静かに声をかける


「・・・父は、仕事で家にいなかったので・・・」

「・・・・・・・・・・・そうか」