話しかけられて、月子の肩が震える


「それは・・・ッ」

「自分が悲劇のヒロインだとでも思ってるのか?」


すぐ目の前に、忍が立っている

うつむく月子の視界に、忍の足袋が入る


「君は、自分が被害者だと思ってるんだろ?」

「痛・・・ッ!!」


腕を掴まれて、思わず顔を上げる

悲しそうな、やり場のない怒りを秘めた瞳


「そうやってうつむいていないで、僕を睨み付けたらどうだ?」

「・・・・・・・・・・・・」