襖を閉めて、足音が遠ざかっていく


「・・・・・・行ったか」


忍が安心したように、机の陰から出てくる


「あの、行かなくていいんですか・・・?」


恐る恐る、月子は聞いてみた


「指導にかこつけて、女どもは僕に近づいてくる。それを分かっていながら、誰が行くか」

「そ、そうですか・・・」


月子はうつむいたまま答える


「・・・・・・そうやって、ずっと下を向いているつもりなのか?」