【中途半端ですね、園村 理生】


そう言われて、理生の心は案外簡単に傷ついた

意外とガラスのハートだったらしい


「兄さん、また見合い話が・・・」


兄の部屋を覗き込み、声をかける


「兄さん?」

「理生か・・・。悪い、母さんかと思った」


気配を殺していた兄・忍が、理生の存在に気づいて顔を出す


「ん、見合い写真」

「いらない。捨てておいてくれ」


受け取ることもせず、忍は見合い写真から目を逸らす