エンジン音が、いやに大きい 流れていく景色は、夜のせいなのか、幻想的に見える 「近くでおろして下さい」 静かな月子の声が、沈黙を穏やかに破った 「貴方は、私を恨んでいるのでしょうね」 「何を・・・」 「姉のかわりに結婚した私は、ただの邪魔者。挙げ句、貴方にとっては、自分を裏切った女の妹と、毎日顔を会わせるんですもの。嫌いになる理由は、十分すぎます」 静かで、穏やかで、ゆっくりとした口調