見上げた梅の木 まだ、咲かない梅の木 「月子ちゃん・・・?何か、あったの?」 「自分の中で、いろいろと整理をつけて、大切なことを決めたんです」 笑う月子は、強く見えたのに、同時にとても弱く見えた 「大切なことを、決めたんです。・・・とても、大切なこと」 小さく、それでいてしっかりとした声音は、夜の闇の中に溶けて、消えた──