ずっと姉の側にいたのに、何も知らなかった

自分の人生が狂ったとは思わない

ただ、道に迷ったような気がしている

自分は、どこに行きたいのだろう?


「あ・・・」


机の引き出しに入っていた、何枚かの写真

忍と麗子の、写真


「・・・そうだよね。忘れちゃ、いけないんだよね・・・」


引き出しを閉めて、月子は自身に言い聞かせる

今の自分の場所に、溺れてはいけない

この場所は、自分の場所ではない