整えられた庭は、踏み入ることが躊躇われる程

つい、入り口付近で立ち止まってしまった


「園村 月子様、で間違いありませんか?」

「・・・・・・・・・・・・?」


名前を呼ばれて振り返れば、着物姿の美女がいた


「私、安藤 栞と申します。大奥様より、月子様に贈り物を預かっております」

「は、はじめまして。贈り物、ですか?」

「はい。大奥様から、月子様にお好きな着物を一着、と言われております」