顔を上げることができなくて、月子は下を向いたまま、忍の声を聞いている


「世継ぎを産むこと。これが一番大切だ」

「・・・・・・・・・はい」


それは、美登里にも言われた言葉だった

それが、一番大切なことだと


「あの・・・」

「他に何か?」

「・・・・・・姉のことですが・・・」


瞬間、空気がより一層重くなった気がした


「悪いが、彼女の話はしたくない」


立ち上がり、忍が部屋を出ていく