咲かないと分かっている けれど、咲かない花はないのかもしれない そんな淡い思いを胸に抱いても、彼女は知っている 「花は、枯れてしまう。・・・種を残すだけ」 残るのは、悲しい種 涙と共に、花は散り 思いと共に、枯れていく せめて、好きだと言う記憶の種が残れば、それでいい 「私は、お姉ちゃんのかわりだから・・・」 真っ白な百合が、その花弁を微かに揺らした