「でも、花は綺麗ですよ?散って、枯れるけど、種を残します。また、花は咲きます」


月子が答えると、忍は優しく笑って、静かに歩き出した


「・・・・・・・・・また、咲きますから」


小さく、もう一度呟いた

聞こえただろうか?

届いただろうか?


忍の背中を見送って、月子は開いたままの寝室の扉を、ゆっくり閉めた