間近に迫る理生の顔は、確かに忍と似ている

ただ、忍よりも華やかな顔立ちをしている

どちらかと言えば、忍は落ち着きのある、凛とした顔立ち


「理生、何をしている?」

「なんだ。兄貴いたのか」


体勢を変えないまま、理生は忍を首だけ動かして振り返る


「・・・月子からどけろ」

「はいはい、っと」


ようやく理生が動いて、月子は安堵の息を漏らす


「大丈夫か?」

「は、はい・・・」