花よりも美しく



それを知らないはずがないのに、いなくなってしまった姉が、たまらなく憎らしい

そう思ってしまう自分が、同時にとても憎らしい


「年はいくつ?」


ようやく、美登里が口を開いた


「・・・今年で、17になります」

「奥様、月子は・・・」

「十分結婚できる年だわ。本当に、結婚するつもりはあるの?」


月子の父など無視して、美登里は月子に問いかける


「あります。それで、父が助かるなら」