逃げ出すように部屋から飛び出し夜明けを待ちながら、この混乱に満ちた状況を打破するにはどうしたらいいかを悶々と考え……そして思い浮かんだのが小梅だったのだ。同姓の小梅ならばどうにかできるだろうかと、すがるような気持ちで朝早くから呼び出したものの、実際小梅にどうしてもらうとか、千早をどうすればいいかとか、そんなことは少しも考えなしだったのだ。
よくよく考えれば、何故女だと気が付いたかとか、一晩一緒に過ごして何があったのかとか、小梅にしてみれば訊きたいことは山ほどあるはずなのだが、そんな部分には全く触れずにいきなりどこかに行ってしまった。
怒ってるようには見えなかったが、そもそもはっきりと付き合っているわけではないのでそんなことを心配するのもどうかとも思うのだが、それでも……なんとも思わないのかは気になるところである。
それにつけ突飛な行動。一体小梅は何を考えたのだろう。
新たに浮かんだ悩みに千歳は頭を抱える。
そんな千歳を、ベッドに腰掛けた姿勢のまま見下ろしていた千早は、何かを喋ろうとするかのように一旦薄く開きかけた唇を、きゅ、と真一文字に引き結んだ。
両者無言のまま、待つこと三十分――

