千歳のことがいつだって気になるし。千歳の事だったらなんでも知っている。知っていたいと思う。
しばらく窓の外に目を凝らして見ていたがどんなに探せど見つけられない人影に、やはり見間違いだったのだと自分で自分を納得させるように頷き、小梅はカーテンを閉めてベッドにもぐりこんだ。
疲れているときにはどんなものを食べたら元気がでるだろうか?
明日のお弁当は千歳が元気になるよう栄養たっぷりなものにしよう。
明日も早起きしなくては……。
そんなことをぐるぐる考えているうちに自然と瞼も重くなる。
父に限らず小梅の母も忙しい人でなかなか家にいることは少ない。食事の支度はいつもマキがしてくれるが千歳のお弁当だけは小梅が作る。そのため、小梅の朝は早い。
時計の針が零時を指す前にはもう……可愛らしいピンクで統一された部屋には、すやすやと小さな寝息だけが静かに響いていた――
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「大丈夫ですか? ちーちゃん」
お昼休み。いつものごとく屋上に集まった三人。
その中で、一人ぐったりと顔色悪く壁によりかかる千歳を心配げに小梅が覗き込む。
「大丈夫だよ……ちょっとだるいだけ」

