花は踊る 影は笑う~加賀見少年の非凡なる日常~


「あったあった」
 目当てのものを見つけて袋ごと引っ張り出す。近くで見てそれが間違いなく枕だと確認して、一旦外にだしていたがらくたを再び物置に突っ込んで戸を閉め、枕を手に部屋へ戻ると、
「……あ、千歳」
 風呂上りの千早が振り返る。
「ぶ……っ!!」
 その姿を見て思わず千歳は吹き出した。
「なっ……なんだその格好!!」
「――? ……何かおかしいか?」
 自分を指差し顔を赤面させる千歳に千早は首を傾げた。
「おかしいもなにも……っ」
 千歳はしどろもどろになりながら瞼を上下させる。ピンク色……の、あれはなんというのだろう。バスローブのような生地で、形はワンピースのように見えなくもない。短い丈のふわりと開いた裾からは細いものの、千歳よりかは幾分丸みのある太ももが覗いている。広がった裾のわりに、襟ぐりが大きく開いた胸元付近はぴたりと体に沿うようなシルエットで、僅かではあるが膨らんだラインがやけに生々しく……。
「小梅はパジャマだと言ってたが、違うのか?」
「いや……まあ、違うというわけではないんだけど……」