たすきを渡し終えた俺は、その場でばったりと倒れた。

限界を越えた走りに両脚は、ピクピクと痙攣している。

だけど自分の仕事を終えた満足感で両拳を握りしめ

「やった…やったぞ。俺は、やり遂げたぞ」

そう力強く叫びながら視線を前に移した。

すると…いつの間にか姿を現せた太陽が俺からたすきを受け取り、走り去る先輩の姿を照らしだしている。

その肩口に斜めにかかるたすきは仲間達の汗を反射させ光り輝いていた。

「あれを…俺が繋いだんだな…」

と消えいりそうな声で小さく呟き

「先輩…頑張れよ」

気が付くと素直な気持ちで最後をしめる先輩を応援していた。

多分…これで俺はチームの一員になれたんだろうな…

俺は、光の向こうに走り抜ける母校のたすきをいつまでも目で追い掛けてた。

〜〜〜〜〜完〜〜〜〜〜