そしていよいよ俺の初めての箱根も終焉を迎える。

『脅威の走りを披露した流産、松島っ!W大岩本のタイムを破る事は間違いないぞぉ!』

興奮したアナウンサーには悪いが…仮に区間賞取ったとしても…

仲間の絆を解った俺だから出せたタイムだろう。

俺1人じゃ…裕太が居なけりゃ…団地のおっちゃん達が応援してくれなきゃ…そもそも流産に入ってなければ…

一つの記録は複雑な関わりによって左右される。

そして俺は最後の一仕事をせにゃならん

俺を…チームのみんなを信じて待ち続けたアンカーに最後のたすき渡しを…

「先輩っラスト頼んだぞ」

俺達の思いがたっぷり詰まったたすきは、とうとうアンカーに繋がった。