「まぁとりあえず出番まで入ってな」

と、キャプテンが差し出す傘の下に渋々入る。

雨が降ると…ただでさえ寒いのに輪をかけて気温が下がり容赦なく体力を絞り取る。

チームユニフォームたる真っ赤なランニングに主催者が用意した味気ない白ダスキを斜めに掛けウインドブレーカーを羽織って何度も腕時計とにらめっこする。

トップが通過して早くも19分…

あと1分…

もう時間が無い

裕太…早く来てくれ