「俺は、いつも通り見えない前を追っかけるしか無ぇんだよ!今さらたすきが繋がる繋がらんなんざ非現実的な事考えてもしょうが…」

俺の後ろで傘を持つキャプテンの向こう…

一人の小さなランナーの姿が目に飛び込んできた。

「あ…あれ…裕太か?」

俺は動揺していた。

俺の知る限り、裕太に出せるタイムじゃないからだ。

そんな俺の動揺を見透かしたかのようにニヤリと笑ったキャプテンは

「朝倉は仲間の思いをお前に伝える為に走ってんだよ。早く準備しろ!お前にはアイツからたすきを受け取り仲間の思いを繋ぐ義務があるんだぜ」

そう言って俺の背中を押した。